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産休・育休に関する裁判例

産休・育休に関する裁判例

産休・育休に関する最新の裁判例について、争点(何が問題となったのか)及び裁判所の判断のポイントをご紹介いたします(随時更新予定)。

育児休業を取得したことを理由として昇給を実施しなかったことが育児介護休業法上の不利益取扱いに当たるとされた事例(学校法人近畿大学事件,大阪地裁平成31年4月24日判決)

本件は「毎年4月1日に,前年度の12か月間(前年4月1日から当年3月31日まで)勤務した職員については,給与規定上の昇給停止事由がない限り一律に昇給する」旨の会社において,育休規定8条「休業の期間は,昇給のための必要な期間に参入しない。昇給は原則として,復職後12か月勤務した直近の4月に実施する」が適用され昇給を否定された労働者が,当該取り扱いが違法と主張した事案です。

裁判所は,以下のとおり延べ,こうした扱いが育児介護休業法10条に反する不法行為に当たり,本来昇給していた場合の給与との差額の賠償請求を認めました。

「ア 労基法39条8項は,年次有給休暇請求権の発生要件である8割出金の算定に当たっては,育児休業期間は出勤したものとみなす旨を,同法12条3項4号は,平均賃金の算定に当たっては,算定期間から育児休業期間の日数を,賃金の総額からその期間中の賃金をそれぞれ控除する旨を規定しているが,これらの規定は,育児休業期間は本来欠勤ではあるものの,年次有給休暇の付与に際しては出勤したものとみなすことによりこれを有利に取り扱うこととし,また,育児休業期間及びその期間中の賃金を控除しない場合には平均賃金が不当に低くなることがあり得ることを考慮して定められたものであって,育児休業期間を一律に出勤として取り扱うべきことまでも使用者に義務付けるものではない。また,育児介護休業法6条は,事業主は労働者による育児休業の申出を拒むことができないとしているが,事業主に対し,育児休業期間を出勤として取り扱うべきことまでも義務付けているわけではない。したがって,育児休業をした労働者について,当該不就労期間を出勤として取り扱うかどうかは,原則として労使間の合意に委ねられているというべきである(最高裁平成15年12月4日第一小法廷判決・裁判集民事212号87頁参照)。

イ 以上によれば,旧育休規程8条が,育児休業期間を勤務期間に含めないものとしているからといって,直ちに育児介護休業法10条が禁止する「不利益な取扱い」に該当するとまでいうことはできない。

 しかしながら,(中略),給与規程12条に基づく定期昇給は,昇給停止事由がない限り在籍年数の経過に基づき一律に実施されるものであって,いわゆる年功賃金的な考え方を原則としたものと認めるのが相当である。しかるに,旧育休規程8条は,昇給基準日(通常毎年4月1日)前の1年間のうち一部でも育児休業をした職員に対し,残りの期間の就労状況如何にかかわらず当該年度に係る昇給の機会を一切与えないというものであり,これは定期昇給の上記趣旨とは整合しないと言わざるを得ない。そして,この点に加えて,かかる昇給不実施による不利益は,上記した年功賃金的な被告の昇給制度においては将来的にも昇給の遅れとして継続し,その程度が増大する性質を有していることをも併せ鑑みると,少なくとも,定期昇給日の前年度のうち一部の期間のみ育児休業をした職員に対し,旧育休規程8条及び給与規程12条をそのまま適用して定期昇給させないこととする取扱いは,当該職員に対し,育児休業をしたことを理由に,当該休業期間に不就労であったことによる効果以上の不利益を与えるものであって,育児介護休業法10条の「不利益な取扱い」に該当すると解するのが相当である。

 そうすると,被告が,平成27年11月1日から平成28年3月31日までの間に育児休業をしていた原告について,旧育休規程8条及び給与規程12条を適用して定期昇給の措置をとらなかったことは,育児介護休業法10条に違反するというべきである。」

育児休業後の有期契約への変更が無効とされた事例(フードシステム事件,東京地裁平成30年7月5日判決)

本件は,当初は期間の定めのない雇用契約を締結していた原告が,育児休業の満了後に復職した際に新たに有期契約(パート契約)を締結したところ,その後,契約期間の満了を理由として雇止めされたことについて,雇用契約の存否が争点となった事案です(その他の争点は割愛。)

裁判所は,以下のとおり述べ,雇止めは無効と判断しました。

「原告は,第1子出産後の平成26年4月上旬頃の面談において,被告Cらに対し,育児のため時短勤務を希望したところ,被告Cから,勤務時間を短くするためにはパート社員になるしかないと言われ,パート契約書に署名押印したことが認められる。

 育児休業法23条は,事業主は,その雇用する労働者のうちその3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものに関して,労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮すること(以下「育児のための所定労働時間の短縮申出」という。)により当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(以下「育児のための所定労働時間の短縮措置」という。)を講じなければならないとし,同法23条の2は,事業主は,労働者が前条の規定による申出をし又は同条の規定により当該労働者に上記措置が講じられたことを理由として,当該労働者に対して解雇その他の不利益な取り扱いをしてはならないと規定している。これは,子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り,これらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じてその福祉の増進を図るため,育児のための所定時間の短縮申出を理由とする不利益取扱いを禁止し,同措置を希望する者が懸念なく同申出をすることができるようにしようとしたものと解される。上記の規定の文言や趣旨等に鑑みると,同法23条の2の規定は,上記の目的を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり,育児のための所定労働時間の短縮申出及び同措置を理由として解雇その他不利益な取り扱いをすることは,同項に違反するものとして違法であり,無効であるというべきである。

 もっとも,同法23条の2の対象は事業主による不利益な取扱いであるから,当該労働者と事業主との合意に基づき労働条件を不利益に変更したような場合には,事業主単独の一方的な措置により労働者を不利益に取り扱ったものではないから,直ちに違法,無効であるとはいえない。

 ただし,労働者が使用者に使用されてその指揮命令に服すべき立場に置かれており,当該合意は,もともと所定労働時間の短縮申出という使用者の利益とは必ずしも一致しない場面においてされる労働者と使用者の合意であり,かつ,労働者は自らの意思決定の基礎となる情報を収集する能力にも限界があることに照らせば,当該合意の成立及び有効性についての判断は慎重にされるべきである。そうすると,上記短縮申出に際してされた労働者に不利益な内容を含む使用者と労働者の合意が有効に成立したというためには,当該合意により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度,労働者が当該合意をするに至った経緯及びその態様,当該合意に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等を総合考慮し,当該合意が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要であるというべきである。

 これを本件についてみるに,それまでの期間の定めのない雇用契約からパート契約に変更するものであり,期間の定めが付されたことにより,長期間の安定的稼働という観点からすると,原告に相当の不利益を与えるものであること,賞与の支給がなくなり,従前の職位であった事務統括に任用されなかったことにより,経済的にも相当の不利益な変更であることなどを総合すると,原告と被告会社とのパート契約締結は,原告に対して従前の雇用契約に基づく労働条件と比較して相当大きな不利益を与えるものといえる。

 加えて,前記認定のとおり,被告Cは,平成25年2月の産休に入る前の面談時をも含めて,原告に対し,被告会社の経営状況を詳しく説明したことはなかったこと,平成26年4月上旬頃の面談においても,被告Cは,原告に対し,勤務時間を短くするためにはパート社員になるしかないと説明したのみで,嘱託社員のまま時短勤務にできない理由についてそれ以上の説明をしなかったものの,実際には嘱託社員のままでも時短勤務は可能であったこと,パート契約の締結により事務統括手当の不支給等の経済的不利益が生ずることについて,被告会社から十分な説明を受けたと認めるに足りる証拠はないこと,原告は,同契約の締結に当たり,釈然としないものを感じながらも,第1子の出産により他の従業員に迷惑をかけているとの気兼ねなどから同契約の締結に至ったことなどの事情を総合考慮すると,パート契約が原告の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在すると認めることはできないというべきである」

裁判所は,以上のとおり述べ,原告が,パート契約の締結後も,更新時期の度に面談し,同内容の契約書に署名押印していた等の事情があったにもかかわらず,パート契約自体を無効と判断しました。

その結果,原告と被告会社との間では,従前の期間の定めのない雇用契約が存続していることとなるため,裁判所は,パート契約の雇止めは「解雇」に当たるとしたうえで,当該解雇についても「被告会社主張の解雇事由である原告が殊更に被告会社を批判して他の従業員を退職させたことを認めるに足りる証拠はないこと,前記認定に係る原告が他の従業員のパソコンを使用した理由は違法又は不当なものとまではいえないこと,被告会社の経営状況が原告の解雇を相当とするほどに悪化していたことを認めるに足りる証拠はないことなどの事情を総合考慮すると,被告会社による解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であるとは認められないから,労働契約法16条により無効というべきである」として,解雇無効としました。

育児休業後の復職予定日後の不就労について、会社の責任が認められた事例(東京地裁平成27年3月13日判決)

本件では、労働者である原告が、育児休業後の復職予定日以降に会社(被告)に出社できなかったことについて会社側に責任がある旨主張し、出社できなかった期間についての賃金支払いを求めるとともに、休業中の原告に対して退職通知を送付したことが違法であるとして慰謝料の請求を行ったという事案です。

裁判所は、「原告が育休を取得している以上、復職予定日に復職するのは当然であり、また、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)4条、22条等に照らせば、被告は、事業者として、育休後の就業が円滑に行われるよう必要な措置を講ずるよう努める責務を負うと解される」としたうえで、本件における会社の対応は原告に「被告が原告の復職を拒否し、又は原告を解雇しようとしているとの認識を原告に抱かせてもやむを得ないものであり」「被告としても、原告が被告の一連の対応について上記のような認識を有していることを把握することは可能であった」として、「そうであれば、被告は、自らの対応により原告に抱かせた誤解を速やかに解き、原告の復職に向けた手続が円滑に進むように、原告に対し、復職のための面談が必要であるから出社するよう明確に指示をする必要があったというべきであるが(中略)明確な指示をしたとは認められないから、(中略)原告の不就労については、被告に帰責性があると評価するのが相当である」として、不就労期間の一定部分について、会社の賃金支払義務を認めました。

また、慰謝料請求については、「被告が平成24年6月に産休中の原告を退職扱いにし本件退職通知を送付した行為(中略)は、労働基準法19条1項及び育児・介護休業法10条に反する行為であると評価し得る」として、慰謝料として会社側に15万円の支払義務があることを認めました。

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