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自主退職に関する裁判例

自主退職に関する最新の裁判例について、争点(何が問題となったのか)及び裁判所の判断のポイントをご紹介いたします(随時更新予定)。

退職日までの就労を拒否されたことについて,使用者の帰責性がないと判断された事例(えびす自動車事件,東京地裁令和元年7月3日判決)

本件は,被告会社においてタクシー運転手として勤務していた原告が,複数回の交通違反によりタクシー運転手としての就労を拒否されたうえ解雇されたとして,雇用契約上の地位確認(解雇無効)及び就労拒否後の賃金を請求した事案です。

裁判所は,原告が平成29年5月18日に退職届を提出して自主退職をしたことを理由に,解雇の有効性については判断を示さず地位確認請求を棄却しました。

また,退職日までの賃金請求については,タクシー運転手としての労務が会社側の拒否により履行不能になっていたことは認めながらも,以下のとおり述べ,会社側の責任を否定し,賃金請求を認めませんでした。

「ア 前記認定のとおり,原告は,被告での勤務を開始して以降約3年半の間に,少なくとも人身事故2件を含む交通事故を5件発生させたほか,6件の交通違反で検挙され,免許停止処分を2度にわたって受けるなど,交通事故及び交通違反を繰り返していたといえる。前記認定のとおり,交通事故の過失態様は,交差点において後方を十分に確認することなく後進し後方の車両に衝突する(平成27年1月29日),見通しの良い直線の首都高速道路で気の緩みからハンドル操作を誤り中央分離帯に接触する(平成28年1月27日),停車中に車中で物を拾おうとした際に足がアクセルに触れ前方に停車していた車両に追突する(同月28日)といった重大なものであり,人身事故における傷害結果も全治4か月の傷害や,全治10日間の頸椎捻挫と軽くはない。前記認定のとおり,Z1所長は,交通事故のたびに原告に反省を促すとともに,事故報告書を提出させ,事故を起こした原因をよく振り返るように指示していたが,そのような中で,原告は平成28年1月27日に上記物損事故を起こし,同事故について厳しく指導を受けたにもかかわらず,その翌日である同月28日にも再び上記人身事故を起こし,しかも同事故について被害者の怪我の程度は大したことないといった発言をするなど,事故の重大性を理解しない態度を示していた。上記事故を受けて本件免許停止処分が出されるに至り,Z1所長は,原告をタクシー運転手として勤務させることは危険であると判断し,就労拒否の判断を下したものである。その後,本件免許停止処分の期間は満了したが,前記認定のとおり,原告は度々被告会社を訪れるものの,その目的はタクシー運転手としての勤務再開に向けられたものではなく,事故防止に向けた具体的取組を被告に説明したり,タクシー運転手として勤務を希望する旨を申し出たりすることはなかった。

 以上の経緯を総合すると,度重なる指導にもかかわらず重大な事故を繰り返し発生させ反省する様子を見せない原告を,このままタクシー運転手として勤務させ続けることは危険であるとしてその就労を拒否し,事務職への転換を提案したZ1所長の判断は,安全性を最も重視すべきタクシー会社として合理的理由に基づく相当なものであったというべきであり,本件免許停止処分の期間が満了した後も,原告が事故防止に向けた具体的取組を被告に説明することはおろか,タクシー運転手として勤務を希望する旨を申し出ることすら一度もなかったことをも踏まえると,被告が本件免許停止処分以降,約1年間にわたって原告の就労を拒否し続け,原告が労務を提供することができなかったことについて,被告の責めに帰すべき事由があると認めることはできない。」

希望退職に伴う優遇措置制度の実施前に退職届を提出した労働者が当該制度の適用から除外されたことについて,違法性が否定された事例(エーザイ事件,東京地裁令和元年9月5日判決)

本件は,医薬品製造会社の授業員であった原告が被告に退職届を提出するに際し,被告が,原告が希望退職制度の優遇措置の対象外になることを知りながら退職届を受領し,原告からの退職届の撤回請求に応じなかったことが不法行為に当たるとして,原告が被告に対し損賠賠償請求を行った事案です。

裁判所は,以下のとおり述べ,原告の請求を認めませんでした。

「(1)原告は,被告は,本件退職届を受理することにより,原告が本件制度の優遇措置の適用を除外されることを知りながらこれを受理し,また,原告が本件退職届の取下げを申し出たにもかかわらずこれに応じなかったものであり,そのため,原告は本件制度に基づく割増退職金を受ける機会を失ったのであるから,これらは不法行為に当たる旨主張する。

(2)しかしながら,前記認定のとおり,被告が本件退職届を受理した平成30年10月15日には,被告において本件制度の実施が決定されていなかったのであるから,被告が,本件制度の除外要件が適用されることを知りながら本件退職届を受理したとは認められない。

 なお,仮に上記時点において本件制度の内容が概ね決定されており,これが実施されれば原告に優遇措置の除外要件が適用される可能性が相当程度あったとしても,被告は,本件制度の内容について,公表までの間は秘密を保持することとしていたものであり,かかる取扱いは希望退職制度である本件制度の目的,内容に照らして合理的なものというべきであるから,本件退職届を受理するに当たり,原告に対して本件制度の内容を告知すべき義務があるということはできない。

 したがって,被告が,原告が本件制度の適用を除外されることを知りながら本件退職届を受理したとの不法行為は認められない。

(3)原告は,被告が本件退職届の取下げの申出に応じなかったことが不法行為に当たる旨主張する。

 しかしながら,前記認定のとおり,被告は本件退職届の決済を行い,原告に対してその旨を伝えているのであるから,本件制度の公表時点において,労働契約を解約する合意が成立していたものと認められる。そして,本件制度の公表後に退職届の取下げを認めるとすれば,本件制度の公平,適正な運用が妨げられることは明らかというべきであり,被告が本件退職届の取下げの申出に応じるべき義務は認められない。

 したがって,被告が本件退職届の取下げに応じなかったことが不法行為に当たるということはできない。

(4)原告は,被告の就業規定において退職届の提出期限が決められていたことや,業務の引継ぎを考慮し,退職予定日の55日前に退職届を提出したのであるが,早期に退職届を提出した者ほど本件制度の適用が除外されることになるのは不合理であると主張する。

 しかしながら,本件制度においては,募集退職日の前日以前の退職日で既に退職届を提出し,被告がこれを承認している場合には,優遇措置の適用を除外する旨が定められているところ,原告は,募集退職日(平成31年3月31日)の前日以前である平成30年11月30日を退職日として本件退職届を提出し,被告はこれを受理しているのであるから,本件制度において,g根国は優遇措置の適用を除外される者に該当し,原告に対して優遇措置を適用しないことは,本件制度の運用に当たり何ら不合理なものではない。

 また,本件制度の適用除外に関する上記規定は,同制度を公平,適正に運用するために合理性が認められるものであり,他方,原告が被る不利益は,優遇措置を受けられないというにとどまるもので,退職の自由が制限されるものではないところ,本件退職届が提出される経緯についても,原告は自らの都合で退職を決定したもので,被告から早期の退職を求めたというような事情は窺われないことからすれば,原告の主張する事情を考慮しても,原告に対して優遇措置を適用しないことが不合理となるものではない。」

マンションの住み込み管理人が管理人室から自発的に退去したことは、自主退職と評価できないとした事例(日本ハウズイング事件、東京地裁平成26年12月24日判決)

本件は、マンションの住み込み管理人として働いていた労働者A及びBが、使用者(マンション管理会社)から「マンション管理組合の要望(管理人の昼休みも管理人室のカーテンを開けていて欲しい等)に従って欲しい」と言われてこれを断ったところ、使用者側から退職を求められたというものです。その際、A及びBは、自身が解雇されたものと思い管理人室を立ち退いたところ、使用者側は「当該立ち退きが自主退職の意思表示に当たる」と主張したもので、裁判ではかかる使用者側の主張の当否が主な争点になりました。

この点、裁判所は、本件において使用者から労働者への解雇の意思表示はなされていないという事実認定を前提としたうえで、自主退職について、一般論として「労働者にとって労働契約は、生活の糧を稼ぐために締結する契約であり、かつ、社会生活の中でかなりの時間を費やすことになる契約関係であることからすれば、かかる労働契約を労働者から解消して自主退職するというのは、労働者にとって極めて重要な意思表示となる。したがって、かかる労働契約の重要性に照らせば、単に口頭で自主退職の意思表示がなされたとしても、それだけで直ちに自主退職の意思表示がなされたと評価することには慎重にならざるを得ない。特に労働者が書面による自主退職の意思表示を明示していない場合には、外形的にみて労働者が自主退職を前提とするかのような行動を取っていたとしても、労働者にかかる行動を取らざるをえない特段の事情があれば、自主退職の意思表示と評価することはできないものと解するのが相当である」との判断基準を示しました。

そして、本件においては、管理人室からの立退きは自主退職を前提とするかのような行動であるとしつつも、A及びBが既に解雇されたと思い、管理人室に居座ると家賃を支払わなければならないと認識していた(そして、使用者側から退職届を書くよう求められていたことに鑑みれば、A及びBがかかる認識に至ったのも無理からぬところがある)ことを指摘し、管理人室からの立退きは自主退職の意思表示とは評価できない、と結論づけました。

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