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偽装請負に関する裁判例

偽装請負に関する裁判例

偽装請負に関する最新の裁判例について、争点(何が問題となったのか)及び裁判所の判断のポイントをご紹介いたします(随時更新予定)。

業務委託先に対する労働契約申込みなしが否定された事例(ライフ・イズ・アート事件,神戸地裁令和2年3月13日判決)

本件は,床材製造の請負等を営むA社を整理解雇された従業員らが,同社と業務請負契約を締結した被告に対し,労働者派遣法に基づく労働契約申込みなしの適用を主張した事案です。本件では,原告らの就労が,いわゆる「偽装請負」に当たるか否かが争点となりました。

裁判所は,要旨以下のとおり述べ,「偽装請負」該当性を否定しました。

(1)基本的な考え方
 労働者派遣法2条1号は,「労働者派遣」について,自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させることをいい,当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとすると定めている。
 一方,請負は,当事者の一方がある仕事を完成することを約し,相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約するものであり(民法632条),請負人に雇用されている労働者に対する指揮命令は請負人にゆだねられている。
 そうすると,請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させる事業者について,労働者派遣か請負の区分は,当該事業者に業務遂行,労務管理及び事業運営において注文主からの独立性があるか,すなわち,①当該事業者が自ら業務の遂行に関する指示等を行っているか,②当該事業者が自ら労働時間等に関する指示その他の管理を行っているか,③当該事業者が,服務規律に関する指示等や労働者の配置の決定等を行っているか,④当該事業者が請負により請け負った業務を自らの業務として当該契約の注文主から独立して処理しているかにより区分するのが相当である(職業安定法施行規則4条1項,労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示(昭和61年4月17日労働省告示第37号)参照)。

(2)本件での検討
ア A社が自ら業務の遂行に関する指示等を行っていたかについて
 上記1認定事実によると,① 平成22年頃まで巾木工程及び化成品工程では,被告の従業員とA社の従業員が混在して作業をする状況にあったが,それ以降,混在状況は解消されたこと,もっとも,巾木工程では,平成26年頃まで被告の熟練従業員1名がA社の従業員を直接指導することがあったが,当該従業員の配置換えにより,それ以降,被告の従業員がA社の従業員を直接指導することはなくなったこと(上記1(2)),② 平成28年頃以降,A社の現場責任者として,巾木工程にはG常勤主任が,化成品工程にはK主任が配置されていたこと(上記1(3)),③ 平成28年頃以降,A社の従業員は被告の従業員と同じ作業着を着用していたが,ヘルメットに緑色のテープが貼られ,被告の従業員とは区分されていたこと(上記1(4)ア),④ 被告は,巾木工程及び化成品工程に製造依頼書を交付し,巾木工程のG常勤主任及び化成品工程のK主任が週間製造日程表を作成することにより受発注を行い,A社の従業員は,製品製造後,製品及び伝票を作成し,被告からの発注に変更があった場合には,その旨の書面が発出され,巾木工程及び化成品工程は,これに従って品種や数量を変更しており(上記1(4)イ),原材料は被告から供給されていたが,その発注はA社からなされ,その在庫管理もA社においてされていたこと(上記1(4)ウ),⑤ 伊丹工場製造課等と巾木工程及び化成品工程との日常的な連絡は,巾木工程では伊丹工場巾木工程の名称のアドレスを,化成品工程ではK主任の名称のアドレスを使用し,製造課等とG常勤主任及びK主任との間でメールの送受信がされており,製造課等とA社の従業員個人との間でメールの送受信がされることはなかったこと(上記1(4)エ),⑥ Fは,巾木工程宛に1週間の工程管理上のトラブルや巾木工程の制作状況等をまとめた週報を作成し,上記⑤のアドレスに送信し,また,伊丹工場製造課の担当従業員は,巾木工程及び化成品工程の製造過程における留意点等をまとめた伝達事項を作成していたが,A社の個々の従業員ではなく,G常勤主任及びK主任に交付し,これが各作業場の掲示板に掲載され,被告の従業員がA社の個別の従業員に対し,ダイスの分解掃除(この点については後記(3)イ(イ)で検討する。)を除いて個別に業務上の指示をしていたとまではいえないこと(上記1(4)オ~ク)が認められる。
 これらの事実によると,平成28年頃,被告は機械の保守等を除いてA社の個々の従業員に業務遂行上の指示をしておらず,A社は,被告から独立して業務遂行を行っていたものということができる。
イ A社が自ら労働時間等に関する指示その他の管理を行っていたかについて
 上記1認定事実によると,① 平成28年頃以降のA社の従業員の勤怠管理はA社が行い,A社の従業員の時間外労働はC社長の判断でなされていたこと(上記1(5)ア),② A社の従業員の勤務評定はC社長が行っていたこと(上記1(5)イ)が認められる。
 これらに事実によると,A社が自ら労働時間等に関する指示その他の管理を行っていたものということができる。
ウ A社が,服務規律に関する指示等や労働者の配置の決定等を行っていたかについて
 上記1認定事実によると,① A社の従業員が事故を惹起した場合には,A社の現場責任者が被告に対して報告するとともに,当該従業員を指導していたこと(上記1(6)ア),② 被告は,A社の従業員に対し,安全講習への出席を求め,工場内の整理整頓を実施する活動への協力を求められていたが,飽くまで伊丹工場の保安安全に留まり,それを超えてA社の個々の従業員に対する業務遂行上の指示をするようなものであることはうかがえないこと(上記1(6)イ),③ 巾木工程のシフト,その変更や欠員の補充等はA社内でなされていたこと(上記1(6)ウ)が認められる。
 これらの事実によると,A社は,その従業員に対し,服務規律に関する指示をなし,その配置を決めていたものということができる。
エ A社が請負により請け負った業務を自らの業務として被告から独立して処理していたかについて
 前提となる事実及び上記1認定事実によると,① A社と被告との間に,資本関係や役員等の人的関係は存しないこと(前提となる事実(1)ア),② A社の巾木工程及び化成品工程の製品の原材料は,被告が関連会社の分を含めて一括して購入したものから供給されており,A社と被告との間で,その価格について交渉等はされず,請負代金とは別に別途清算等はされてなかったこと(上記1(7)ア),③ A社は,被告から現場事務所を無償で貸与され,巾木工程及び化成品工程の製造ラインを月額使用料2万円として被告から賃借していたこと(上記1(7)イ),④ 本件業務請負契約1・2の請負代金は,巾木工程及び化成品工程ともに定額で,製造した製品の数量や出来高に増減しないものであったが,A社の従業員の労務単価を基礎として算定されたものではなく,製造原価等を考慮して定められたものであったこと(上記1(7)ウ),⑤ 本件業務請負契約1・2には,製品に瑕疵があった場合,A社は瑕疵修補の責任を負い,被告は,本件業務請負契約1・2を解除することができる旨の定めがあるが,被告は,A社に対し,これらの法的責任の履行を求めたことはないが,製品に不具合が生じた場合,A社から被告に対して報告等がされていたこと(上記1(4)ケ,(8)),⑥ A社の従業員は,平成22年頃まで被告の従業員と混在状況で作業し,巾本工程は被告の熟練労働者から指導を受けたことがあったが,A社は,その後,主任を中心に工程内教育・指導を行い,平成29年2月,被告から増産要請があった際,巾木工程では1週間の教育期間では対応できないことを理由に,外部からの派遣従業員による増員を拒むなど(上記1(9)),巾木工程及び化成品工程は,従前蓄積されたノウハウ等を有するA社の一部門というべき存在で,自ら社内教育をしていたことが認められる。
 これらの事実によると,A社は,被告から請負契約により請け負った業務を自らの業務として被告から独立して処理していたものということができる。
オ 被告が平成29年3月にA社と労働者派遣契約を締結した経緯等
 上記1(10)認定事実によると,平成29年3月,被告とA社との間で巾木工程について労働者派遣契約が締結されたが,これは,A社とA社労組との三六協定が更新されずに同年1月に失効したことにより,A社は,それ以前に被告から求められた巾木工程の増産に対応できないことから,被告に対し,本件業務請負契約1・2を解消したい旨を申し出,同年3月を乗り切る窮余の策として,C社長は労働者派遣契約に切り替えれば三六協定がなくても増産に対応できると誤解して,同月に限り労働者派遣契約に切り替えることを提案し,被告もこれを了解したものということができるのであり,被告が,A社との間の従前の業務請負の実態を糊塗するために労働者派遣契約を締結したものとはいえない。
カ 小括
 以上の事情を総合考慮すると,巾木工程及び化成品工程は,遅くとも平成29年3月頃には偽装請負等の状態にあったとまではいうことはできないというべきである。

業務委託先との黙示の労働契約の成立を否定した事例(DNPファインオプトロニクスほか事件、東京高裁平成27年11月11日判決)

本件は、Y1社との間で労働契約を締結した労働者Xが、Y1社とY2社との業務委託契約、Y2社とY3社との業務委託契約より、Y3社の工場で勤務していたところ、Xが、これらの業務委託契約がいわゆる偽装請負に当たり、XとY3社との間には黙示の労働契約が成立していたとして、Y3社との雇用契約関係の確認等を求めたものです。

この点、裁判所は「XとY3社との間に黙示の労働契約が成立したか否かを判断する上で、本件雇用契約及び本件各業務委託契約の効力が直接関連するものではないけれども、請負契約という法形式に沿う実態があるか否かは、黙示の労働契約の成否について判断する際に考慮すべき事情とも重なるものといえるから、当事者の主張に即して検討をすすめる」とし、各社の業務委託契約の実質を検討しました。

その上で、

・Y3社は、「コア業務」という中心的な業務はY3社の従業員に行わせていた一方、作業内容が標準化された比較的単純定型的な作業については、Y1社やY2社の従業員に行わせていたところ、Xの担当業務は後者であったこと

・Y1社の従業員の勤怠管理等の基本的な労務管理はY1社が行っていたこと

・Y3社の向上で使用する機材や設備はY3社の所有であり、Y1社の従業員が使用するスーツ等もY3社から無償で貸与されたものだったが、作業着やネームプレートにはY1社の指定したものがあり、Y1社の従業員とY3社の従業員とが使用する設備も区別されていたこと

等を挙げ、「Y1社は自らその従業員に対する指揮命令を行っていた」として、各業務委託契約が実質的に請負としての実質を有する(偽装請負には当たらない)としました。

また、Y3社とXとの黙示の労働契約の成否については、

・Y3社がXに対して具体的な指揮命令をする関係にあったとはいえないこと

・Y1社は独自に採用手続きを行っており、Xの採用手続にY3社は関与していないこと

・Xに対する賃金支払もY1社が決定しており、Y3社はこれに関与していないこと

等を挙げ、これを否定しました。

こうして、結論として、X側の請求を認めませんでした。

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