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出向に関する裁判例

出向に関する最新の裁判例について、争点(何が問題となったのか)及び裁判所の判断のポイントをご紹介いたします(随時更新予定)。

職務内容の大幅な変更を伴う出向元への復帰命令につき,有効とされた事例(相鉄ホールディングス事件,東京高裁令和2年2月20日判決)

本件は,出向前及び出向先(A社)でも長きにわたりバス運転業務に従事していた労働者が,出向元への復帰(復帰後は全く別の業務に従事)を命じられた件で,当該復職命令の有効性が争点となった事案です(その他の争点もありますが,ここでは割愛します。)

裁判所は,要旨以下のとおり述べ,復職命令を有効と判断しました。

控訴人らは,本件復職命令について,①バス事業部門単体の収支を悪化させるものであること,②□□グループ全体の収支を悪化させること,③個人控訴人らの再出向先を無理に作り出していたこと,④被控訴人会社の業績が一貫して好調であること,⑤バス事業単位に限定して収支検討することが不合理であること,⑥自発的に6割の者が転籍等に応じていることに照らし,企業の合理的運営に寄与する点があるとは認められず,業務上の必要性・合理性はないと主張する。
 しかしながら,本件提案当時には,一方でAの路線エリアの将来人口は減少することが予想されており,他方でAの営業利益を被控訴人会社の出向補填費が上回っているといったその当時のバス事業を取り巻く状況から,バス事業の収支を改善する必要があったこと自体は否定できず,これらの事情の下で,利用者減が予測され,将来的にも収益増が期待し難い状況であることから,バス事業の収支改善の方策として,出向補填費の削減を図ろうとすることに合理性はあるといえること,本件提案時において,Aの従業員の約40%が被控訴人会社からの在籍出向者であり,A籍のプロパー社員の平均給与(正社員バス運転士の平成27年の給与の平均値)は約480万円であるのに対し,同じ業務に就いている被控訴人会社からの出向者の平均給与(同上)は約840万円であって,プロパー社員の給与よりも高額であることから,プロパー社員の不満が募っている可能性があり,その他両者の間には,手当の支給条件・方法の違いや,休暇の有無・取得日数・有給無給の違い等にも差異があり,これらを解消し労務管理を効率化するために,被控訴人会社からの在籍出向を解消する必要性があること,復職者の再出向についても,□□グループ内で再出向の必要性がある会社に再出向させられており,本件復職命令の合理性を基礎付けるものといえること,これらの事情によれば,本件復職命令について,業務上の必要性・合理性があったと認められることは,前記1説示のとおりである。
 控訴人らの主張のうち,上記①,②及び⑤の主張については,経営主体が事業ごとに収支をみることは一般的に行われていることであって,被控訴人会社において,そのグループのバス事業単位で収支をみて,その経営施策に反映させることに不合理な点はなく,本件提案はそのような観点から行われたものであると認められるから,控訴人らの主張する事情をもって,本件復職命令の業務上の必要性・合理性に関する前示の判断を左右するものとはいえない。また,上記③の主張については,被控訴人会社が再出向の受入先に対する出向補填費用を上乗せしていたとしても,バス事業の収支改善という観点に立つと,必ずしも不合理な判断とはいえないし,復職者が再出向先に再出向して余剰人員となっているものではなく,□□グループ内で再出向の必要性がある会社に再出向させられていると認められることは,前記1説示のとおりである。さらに,上記④及び⑥の主張については,そのような事情があっても,本件復職命令の業務上の必要性・合理性に関する前示の判断を左右するものとはいえない。控訴人らの主張はいずれも採用することができない。

出向命令が権利の濫用に当たるという主張が認められなかった事例(社会福祉法人奉優会事件、東京地裁平成28年3月9日判決)

本件は、介護施設で働いていた労働者が、自身の受けた別の職場への出向命令が違法であるとして、出向前と出向後の賃金の差額等を請求した事案です。

争点は、出向命令の有効性でした。

(1)出向命令の根拠

労働者側は「本件労働契約上、就業場所を限定する合意があったから、当該合意に反する出向命令は無効である」旨の主張をしていました。

この点、裁判所は、労契法14条は、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」と規定する。はじめに、本件が、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合」に当たるか否かを検討するに、就業規則において、「法人は、職員に対して業務上必要のある場合は、出向を命じることがある。」と定めていること、別に定められた出向規程において、出向規定の定義、出向期間、出向中の社員の地位、服務、給与、賞与、人事評価、退職・解雇及び退職金など出向者の処遇に関して出向者の利益に配慮した詳細な規定が設けられていることからすれば、被告は、原告に対し、その個別的同意なしに、被告の職員としての地位を維持しながら出向先であるやさしい手においてその指揮監督の下に労務を提供することを命ずる本件出向命令を発令することができるというべきである(最高裁平成11 年(受)第805号平成154 18日第二小法廷判決・最高裁判所裁判集民事209495頁参照)。」と判断しました。

原告の主張との関係では、「この点に関して、原告は、本件限定合意がある以上、原告の同意のない本件出向命令は違法・無効であると主張する。確かに、労働条件通知書(書証略)には、「就業の場所」として、「特別老人ホーム白金の森」と記載されているが、当該記載は、採用時の労働条件の明示事項(労働基準法151項)である勤務の場所を記載したものであり、採用直後の勤務場所を記載したものにすぎないと認められる。また、原告は、募集要領に「法人内異動.有」(書証略)と記載されているところ、原告の就業場所として被告が経営する施設以外への出向等がないかについて、就職時、特に確認していたと主張する。しかし、被告は本件限定合意の成立を否認しており、被告職員のうち原告だけ出向規程の適用を排除すべき特段の事情があったと認められないこと、他に上記合意の成立を認めるに足りる的確な証拠がないことからすれば、本件限定合意が成立していたと認めることはできない。」として、原告の主張を認めませんでした。

(2)出向命令の権利濫用性

仮に被告に出向命令をする法的根拠があるとして、当該命令が権利の濫用に当たらないかという点について、裁判所は「原告は、ケアマネージャーの資格を取得後、被告に対し、ケアマネージャーとして勤務することを強く要望しており、行政庁のあっせん手続を利用するなどしてこれを求めていたこと、被告は被告法人内ではケアマネージャーとして勤務させることはできないが、やさしい手であれば、ケアマネージャーのポストがあると考え、原告に対し、やさしい手でのケアマネージャー職の面接を勧めたこと、原告はこれに応じて面接を受けたが不合格となったこと、C は、やさしい手からSPM あれば採用可能であるとの回答を受けたことから、原告に対し、SPM の仕事を経験することはケアマネージャー職に就くにあたって役に立つと考えている旨の説明をした上で、やさしい手でSPM として勤務することを内容とする出向を提案したところ、原告が前向きな姿勢であったため、出向に関する説明会を実施し、被告は原告が出向に同意しているとの認識の下、本件出向命令を発令したこと、がそれぞれ認められる。このように、被告は、ケアマネージャーとして勤務したいという原告の希望を踏まえた上で、本件出向命令に至っているのであって、出向を命ずる業務上の必要性はあったと認められ、他に本件出向命令について、不当性をうかがわせるような事情はない。また、本件出向命令によって原告の労務提供先は変わるものの、その従事する業務内容(SPM)について、事前に説明会が実施されており、原告は自分が担当するSPM の業務内容について十分理解していたこと、出向規程において、出向中の職員の地位、賃金、退職金その他処遇等に関する規定等、特に本件補償規程を設けて、経済的不利益が大きくならないように配慮していることを勘案すれば、原告が労働条件等において著しい不利益を受けるものとはいえない。そして、本件出向命令に至る経緯(上記(1))及び本件出向命令後、原告は何ら異議を述べることなく出向先での勤務を開始していることからすれば、被告において、原告が出向に同意したものと認識し、出向同意書の返送を催促せず、その結果、出向同意書が未提出のままになっていたことも理解できるものであり、当該事実が、本件出向命令の不当性をうかがわせるような事情であるとはいえない。これらの事情にかんがみれば、本件出向命令が権利の濫用に当たるということはできない。」として、被告が原告の要望や待遇に十分配慮していたこと、原告が出向に同意していたと認識したことにも相応の理由があったことを挙げ、出向命令権の行使が権利の濫用には当たらないと判断しました。

以上のとおり、結論として、裁判所は、原告(労働者)の請求を認めませんでした。

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