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近時の裁判例におけるセクハラ慰謝料の金額

近時の裁判例におけるセクハラ慰謝料の金額

本ページでは、①裁判において認定されたセクハラ行為②認められた慰謝料額に絞って、簡単にまとめてまいります(具体的な事実は、一部、要約ないし抽象化しているところがあります(正確には判決文をご確認ください)。また、判決での事実認定に即して、セクハラ行為者と認定された者を「加害者」、当該行為を受けた者を「被害者」と表記することがあります。)

・裁判において認められる損害賠償(慰謝料など)の金額は、ハラスメント行為の内容や、これにより被害者の方が被られた損害の程度の諸事情によって異なりますが、数十万円から、悪質なケースでは数百万円超ということもあります。事案次第という面が非常に大きいため、以下の裁判例も一応の目安とご理解下さい。

・なお、掲載している裁判例は、あくまで、裁判の結果、判決まで至ったケースです。実務上は、裁判に至らずとも交渉を行うことで解決できるケース、裁判に至っても和解で終了するケースも相当程度あります(当職の経験上は、これらのケースの方が多い印象です)。両者で合意できれば原則として解決水準は自由となりますし、慰謝料に限らずその他の条件を組み込むことも検討しうるため、柔軟な解決になじみやすいメリットもあります。当職は、セクハラ事案についても多数の取扱いがあり、お悩みについての見通しを示すこと、解決に向けたお力となることはできると思います。初回のお問い合わせに対するご回答は無料で承っておりますので、セクハラ行為の被害に悩まれているようであれば、まずは本ホームページよりお気軽にご相談下さい。

【依頼者さまの声(アンケート結果)】

【弁護士紹介】

大阪地方裁判所令和6年9月13日

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

被害者の同意なく、同人にキスをした行為

②認められた慰謝料の額

5万円

※加害行為との比較において金額が低廉な印象を受けますが、判決文では、

・被害者及び加害者がいずれも既婚者であること

・加害行為が1度限りであり、態様も短時間かつ、被害者もその場では強い拒絶を示していないこと

・加害行為は、①加害者が送付した「好きだ」というメッセージに対し、被害者が「私も好きだ」という旨の返信をした3日後であり、また、②被害者から「いつでも離婚できる、一緒に異動してもいい」という趣旨の発言を受けた後であって、加害者としては、被害者から好意を持たれていると誤信した上でのことであること

・その他、加害行為に至るまでの経緯等一切の事情

を考慮したものとされています(もっとも、私見では、キスを違法性のある加害行為と認定した以上、判決文指摘の諸事情を考慮したとしても、より高額の賠償が認められる余地もあったのではないかと思います。)。

東京地方裁判所令和5年12月25日

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

加害者が、被害者にとって反対の意思を表明し難い立場(上司)であったにもかかわらず、被害者と二人で食事をした際、異性として好ましく思っていることを伝え、同月以降、異性としての好意を伝えつつ、自分が禁煙できたらご褒美として二人で食事に行きたい旨伝えるメールを送り、食事の誘いを断り続けている原告を何度も二人きりの食事に誘った行為

・会社が管理職に対して実施したハラスメントに関する注意喚起において、部下を1対1で食事に誘うことのないよう指導されたにもかかわらず、その後も、被害者を1対1での食事に誘い、被害者の帰宅途中で被害者と同じ車両に乗って話しかけ、被害者の最寄り駅で被害者が降車するまで同行したり、喫茶店に誘って同行させた行為

・被害者を平日に休暇を取り観光地へ二人で行くことに誘った行為

・被害者が、加害者と二人で会うことをはっきり断ったにもかかわらず、同じ空間にいたい気持ちが強いなどと恋愛感情を表現するメール、二人で海外旅行に行きたい等のメールを送信した行為

②認められた慰謝料の額

100万円

※積極方向の事情として、

・既婚者である直接の上司から、異性としての特別な好意を示されて、意に反する食事やデートの誘いをメールや口頭により約5箇月にわたって受け、帰宅時に電車に乗り合わせて喫茶店に誘うといった行為も受け、これにより精神障害を発症するに至ったこと

・治療として通院約17箇月(実日数26日)を要したこと

・配置されて活躍していた部署からの異動を検討されるに至ったこと

・新卒で入社し約2年勤務した会社を休業した上で退職せざるを得なくなったこと

が、消極方向の事情として、

・身体的接触を伴う被害は受けていないこと

・加害者に対しては被告会社から懲戒処分が実施され、遠方への異動も行われたこと

・休業損害は慰謝料とは別途計上したこと

が考慮されています。

東京地方裁判所令和5年10月19日

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・被害者に対し、「女性か男性にお礼するときは体で」等の性的な内容を含むLINEメッセージを複数回にわたり送信した行為

・被害者と二人でカラオケに行った際、同カラオケルーム内にて、被害者が拒絶の意思を示しているにもかかわらず、被害者の背中や太ももを触ったり、歌っている被害者の胸に手を当てたりする等の身体接触を行った行為

②認められた慰謝料の額(合計150万円)

LINEメッセージ送付につき50万円

内容が、性的な関係を求めるなど、性的羞恥心を害する程度の大きいものであったことのほか、被害者が拒絶の意思を示していたにもかかわらず反復して執拗に行われたこと等の事情が考慮されています。

身体的接触について100万円

行為の態様が、密室での継続的な身体接触という、性的自由に対する侵害の程度の大きいものであったことのほか、被害者が拒絶の意思を示していたにもかかわらず2度にわたって行われたこと等の事情が考慮されています。

静岡地方裁判所令和5年8月25日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

被害者の自宅を訪問し、インターホン越しに「弁当を買ってきた」などと告げて、被害者が断り切れずにオートロックを解除すると、被害者の自宅に上がり込み、同自宅内において、被害者に対し「年上の男と付き合ったことがあるか」などと聞いた後、接近してキスをしようと迫り、被害者が拒んでも繰り返しキスを求めたが、被害者が一貫して拒否したことから、最終的にキスを諦めて握手を求め、被害者がやむなく握手に応じたところ、自宅を退去した行為

②認められた慰謝料の額

40万円

性的尊厳という重要な人格的権利に対する侵害であること、被害者の自宅という密室内で、被害者と加害者が二人きりの状況下で行われたこと、加害者が雇用者という立場を利用したために入室を拒みえなかったこと、被害者が仕事を続けることを希望していたにもかかわらず、本件行為2による恐怖感等から退職したことその他証拠上認められる一切の事情を総合考慮したものとされています。

東京地方裁判所令和5年5月29日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・約2年間、月に1、2回、会社の事務室内の被害者から2m以上離れた位置から、被害者の横顔や後ろ姿を、被害者には無断で、カメラや携帯電話で写真撮影した行為

・送別会終了後、被害者と同乗したタクシー車内において、被害者の手や太ももを触り、被害者が「やめてください」と制止した後も、被害者に覆いかぶさって肩か腰あたりに抱きつくような動作をした行為

・上記タクシー車内での行為後、被害者に対し、「今日はありがとう」、「本当に好きだ」、「ありがとう。好きだ♪」という内容のLINEメッセージを送った行為

②認められた慰謝料の額

50万円

東京地方裁判所令和5年3月28日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

加害者が、被害者が自身に好意をもっていると誤信して、直属の上司であるために被害者が否定的なリアクションができないことを理解せずに、被害者のパートナーとの関係、子作り、被害者の生理に関する事項などを質問したり、被害者が交際相手の反対や体調不良を口実として暗に宿泊同行を拒絶していたにもかかわらずこれを決行し、ひいては性的関係を持つことを求めたという一連の行為

②認められた慰謝料の額

60万円

宮崎地方裁判所令和5年3月22日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・加害者(雇用主)が被害者(労働者)に対し、ホテル客室にて会話中に、被害者の手を握った後、しばらくの間、被害者の背中に両手を回して抱きついた行為

・二人でホテルに行くよう何度も誘った行為

・被害者に対し、自身の肩や腰をマッサージするよう求め、複数回にわたりこれを行わせた行為

②認められた慰謝料の額

70万円

※一連のセクハラの内容、反復性その他の事情を考慮したものとされています。

東京地方裁判所令和4年1月17日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・加害者(上司)が被害者(部下)に対し、部下の意に反することを知りながら飲酒を伴う夕食に誘うことを繰り返し,それにとどまらず,部下に対する性的関心を示す言動に度々及び,しかも発言から身体的接触へと次第に態度をエスカレートさせ,性的関係を結ぶことを示唆する言動にまで及んだ(特に、ホテルの客室において添い寝を求められた)こと

②認められた慰謝料の額

100万円

※セクハラによる休業損害等を合わせ、判決では合計324万9389円及び遅延損害金の支払が認められています。

宮崎地方裁判所延岡支部令和3年10月13日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・加害者(大学教員)が被害者(学生)に対し、飲み会の際に、身体に触れる、抱き付いてキスをする、自分の隣に座ることを強いる等の行為を行ったこと

②認められた慰謝料の額

120万円

※判決文においては

・被害者の同意なく、身体に直接に接触する行為を繰り返し、抱き付いてキスをするという行為に及んだこと

・自身の立場の優位性等から被害者が期限を伺う態度を取らざるを得なかったことについて何ら顧みず、自分に好意を持っていると誤信し行為を助長させたこと

・被害者が心療内科を受診する等苦境に陥ったこと、本件が表沙汰になってからも加害者が自己を正当化するような振る舞いをして被害者の心情や立場に配慮しなかったこと

が考慮されています。

奈良地方裁判所令和3年10月6日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・加害者(教員)が児童(被害者)に対し、「嘘をついたら自分(加害者)とキスをする」という趣旨の発言をしたこと

・被害者と自身が指切りをする際、キスをするという趣旨の発言をしたこと

②認められた慰謝料の額

10万円

※判決文では「本件において顕れた全ての事情を踏まえると」という理由付けがされています。

東京地方裁判所令和3年9月9日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・出張先のホテルにおける被害者の部屋にて、深夜,二人きりの際に,隣に座るよう申し向け,被害者がこれに応じず立っていたところ,立ち上がって被害者の肩や腰に手を回した行為

・被害者が,車酔いのため,横になるなどして休んでいた際に,加害者とのやり取りの後,しゃがみこんだ被害者に対し,加害者が上から抱きつこうと両腕を被害者の体に回した行為

②認められた慰謝料の額

20万円

※1点目の行為については、被害者が不安感を覚える行為である一方で、こうした行為が比較的短期間の行為であったことが考慮されています。

また、2点目の行為については、体調が悪い被害者に対しての行為であること、被害者の抵抗もあって抱擁されるまでに至らなかったことが考慮されています。

また、加害者から医者の措置が考慮されていないこと、も事情として挙げられています。

札幌地方裁判所令和3年6月23日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・被害者に抱きつき、キスをしたり、胸を触ったりした行為

・自身の手を重ねる形で被害者の手を握った行為

・「ホテルに遊びにいっていいか」「抱いちゃおうかな」等のメッセージを送付した行為

②認められた慰謝料の額

150万円

※但し、上記セクハラ行為のほか、被害者がセクハラ被害を相談したことへの報復として、業務において被害者を強く叱責したパワハラ行為等も含めた慰謝料額とされています。セクハラについては「密室で抱き着いてキスをするという有形力の行使を含むものであり、被害者の性的自由に対する侵害の程度は大きい」という評価がされています。

東京地方裁判所令和2年12月4日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・大学の公開講座において、わいせつ性及び性暴力性を有する講師の作品を見ることを強要した行為(講座がこうしたな内容であることについて事前に告知する義務に違反した)

②認められた慰謝料の額

30万円

※性的な内容を含む作品を見たくないという意味での性的な事由が侵害された、という評価がされています。これにより、学習研究環境が悪化したこと、原告が講座受講により急性ストレス障害(適応症が)と診断され通院したこと等の事情が考慮されています。

東京地方裁判所令和2年11月17日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・ライブ活動の帰途等に,被害者が間借りしていた自宅で,加害者の求めによって,数回,意に沿わない性交渉に至った行為

②認められた慰謝料の額

200万円

※加害者がアイドルグループのマネージャー、被害者がアイドルという関係にあり、加害者が自身の強い立場を利用して行ったセクハラ行為という評価がされています。また、当該セクハラ行為の結果、被害者がアイドルグループを脱退することになり、思い描いていた活動を実施できなくなったこと等の事情が、慰謝料を増額する方向の事情として考慮されています。一方、被害者の側にも、セクハラ行為(性交渉)を受け入れれば仕事上優遇をされるのではないかという思いがあったことを否定できない、という点も、金額算定の事情として挙げられています。

東京地方裁判所令和2年8月28日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

(1)合宿所の自室に被害者を呼び出し,二人きりの状態で,被害者に対し,椅子に座った体勢で自身の両膝を両手で軽く叩きながら「ここに座りなさい。」と繰り返し述べ,被害者をして加害者の膝の上に数分程度腰かけさせた行為
(2)上記の体勢で,両腕を被害者の身体の前方に回し,腹から胸の下あたりで交差させて被害者の身体を引き寄せるとともに,自身の額を被害者の背中に数分程度くっつけた行為
(3)(2)の後,加害者の膝の上から立ち上がり,加害者のベッドに腰かけた被害者に対し、隣に腰かけた上で,お互いに向き合う体勢になり,被害者に対し,「お前と心と心を通わせてやっていきたい。」,「心と心がつながらないとダメ。」などと言って,右手で,被害者の左胸を触った行為
(4)(3)に続けて,要旨「男女の関係は愛だよ。」,「女性として見ている。」,「私のことを本当に信頼していたら,私が脱げと言ったら脱げるんだよ。」,「行動で示せ。」,「私とは赤い糸でつながっている。」,「家には女房がいるけど,ここにはいない。お前がその代わりをやれ。」などと言った行為
(5)(4)の発言をした約20分間のうち二,三分の間,被害者の太ももをジャージの上から触った行為
(6)前記(4)及び(5)の後,被害者に対し「最近太ってきたんじゃないのか。」と言いながら,左手で被害者の右頬を数秒間触った行為
(7)(6)の後,被害者に対し,要旨「ふたりのことは,誰にも言うな。」,「言ったら私が変だと思われるだろ。」,「言ったらどうなるのか分かるよな。」と言った行為
(8)(7)の後,部屋を出ていこうとする被害者に対し,身体の正面から抱きつき,両手を被害者の背中から腰あたりに回し,その状態を約30秒間続けた行為
(9)平成28年5月28日から同年6月17日までの間に,約6回,合宿所内の自室にて二人きりになるように被害者を呼び出し,入口の引き戸も閉めるよう指示した上で,身体を近付けて抱き付いた行為

(10)午後10時頃,被害者を合宿所の自室に呼び出し,パジャマを着てベッドに横になった状態で「一緒に寝ないのか。」と述べた行為

②認められた慰謝料の額

70万円

※加害者が部活動の監督、被害者が選手という上下関係があったこと、セクハラ行為後に被害者がPTSD等との診断を受け大会に参加できなかったこと、加害者側からの慰謝措置が講じられていないことが、慰謝料を増額する方向の事情として挙げられています。一方、セクハラ行為が約1か月間の間に止まっていること、セクハラ行為の態様が着衣の上からの接触や手で頬を触る等に止まり重大な性犯罪に該当するとまではいえないこと、セクハラ行為以前から被害者が不眠等を訴えており、セクハラ行為以外のストレス要因があったと伺われること(セクハラ行為後の心身不調が全てセクハラ行為に起因するとまでは言えないこと)が、慰謝料を減額する方向の事情として挙げられています。

東京地方裁判所令和2年3月3日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

地下鉄のホームで、被害者が手を払って拒否したにもかかわらず被害者の肩に手を回そうとした行為

・上記の際に被害者の肩に複数回触れた行為

②認められた慰謝料額

5万円

※加害者が執行役員、被害者が派遣社員という立場の差があること、被害者が拒否の態度を示していたことを挙げつつ、一方で、行為態様が肩への接触に止まること等が考慮要素として挙げられています。

大阪地方裁判所令和2年2月21日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・海外出張中,宿泊予定のホテルに向かうタクシー内で,愛人となるよう求める発言を複数回行った

・到着したホテルにおいて,別室を希望する被害者の意向を拒み,一時的であれ同室で過ごすことをやむを得ない状況に置き,更に入室後には早々にシャワーを浴びるという行動に出たこと

※これらの言動及び対応は,被害者に対し,意に沿わない性的関係等を要求される危惧を抱かせるものであったとの評価がされています。

②認められた慰謝料額

50万円

会社での地位や権限,年齢・社会経験等に大きな格差があることを背景に,海外出張先で愛人になるよう求めた上,一時的であれホテルの部屋に同室を余儀なくさせるという態様のものであること,被害者は逃げるようにして帰国することを余儀なくされ,その後の出社することなく退職に至っており,少なからぬ精神的苦痛を被ったと考えられること等の事情が挙げられています。

京都地方裁判所令和元年6月28日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・抱きしめてキスをする(複数回)

・胸を触る(複数回)

・拒絶したにもかかわらず,性交渉に及ぶ

③認められた慰謝料額

・通院慰謝料166万円

・後遺障害慰謝料640万円

※本件各行為が,約3か月の期間にわたって複数回行われたうえ,被害者の意に反してキスをしたり胸を触ったりするだけにとどまらず性交にまで及んだもので,被害者の性的自由及び人格権を著しく侵害していること,また,被害者は,本件各行為によってうつ病などにり患し通院治療を受けているだけでなく,結果的には休職の上退職を強いられたこと,等の事情が考慮されています。

※但し,生じた損害については原告の素因に拠る部分も認められるとして,上記の慰謝料を含む損害額から4割の減額が認められています。

高松地方裁判所令和元年5月10日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・意に反して,手や腰に触れる

・スカートの裾を持ち上げる

・液体コンドームの画像を見せる

・不必要に性的な用語を用いる

②認められた慰謝料額

30万円

※慰謝料額の算定において,身体的接触を伴うこと,被害者の退職の意思表示の一因になった可能性があることが指摘されているものの,いずれのセクハラ行為も著しく悪質とまでは評価できず,身体的接触を伴わないものについては被害者に不快感を抱かせるにとどまったこと等を挙げられている。

仙台地方裁判所平成30年4月24日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・上司部下の関係を前提に,自身の意向に従うよう仄めかすメールを送る(※パワハラ的要素についても指摘されている)

・上司と関係を持ちたくない旨訴えたにもかかわらず,「好きだ,自分の苦しみはあなたの苦しみよりも大きい」「許さない,大変なことが起きるぞ」などと述べた

・メールや電話をするように要求した

・「足を見ていると触りたくなる」と述べたり,嫌がっているにもかかわらず体を触ったり抱きついたりした

・「両者間の性交渉の際に撮影した写真が見つからないが,約束に違反しない限りは心配ない」旨のメールを送信した

※本件では両者間に性交渉があり,原告は「性交渉を強要された」(これもセクハラに当たる)と主張していましたが,裁判所は,両当事者のメールのやり取り等から「性交渉は合意のもとで行われた」と認定しました。そのうえで,上記のような行為をハラスメントと認定しました。

②認められた慰謝料額

150万円

※慰謝料額の算定において,

・認定されたハラスメント行為は,両者がかつて親密な関係にあったことを考慮しても決して許されるものではないこと

・ハラスメントは,被害者の弁護士が介入するまで約2か月間にわたって続いたもので,その間の被害者の精神的苦痛は相当大きいこと

・本件ハラスメントにより,被害者がうつ病を発症したこと

等が考慮されている。

東京地方裁判所平成30年1月16日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

6年以上にわたって,被害者に対し卑猥な発言をし,胸部をさわるような仕草をし,被害者の脇や臀部を指でつつく等を高頻度で繰り返した行為(加えて,一方的に自身が被害者と特別な関係にあるかのごとく吹聴する,被害者に背後から抱き着く,ワンピースのファスナーを下すしぐさをする(しかも,少なくとも一度は実際に下してしまっている),エレベータ内で頭や顔を被害者に押し付ける,飲み会等の際に執拗に被害者に接触する,業務時の被害者のそばに隠れて驚かす,被害者の財布やスマートフォンに勝手に触る等の行為も認定されている)

②認められた慰謝料額

120万円

※慰謝料の算定において,

・被害者から都度強い言葉で叱責・拒絶されていたにもかかわらずセクハラ行為が継続したこと,

・加害者が「自身と被害者との信頼関係,仲の良さに甘えて行ったいたずら行為である」など,事態の深刻さを認識しておらず真摯な反省が伺われないこと

等が考慮されている。

宇都宮地方裁判所平成29年10月25日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

懇親会において,加害者の席の隣に座って選曲のためにカラオケの本を見ていた被害者に対し,被害者の背中や腰に手を回したり,背中全体をなでるように触ったり,被害者の耳元に口を近づけたりした行為

②認められた慰謝料額

30万円

東京地方裁判所平成29年9月22日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

・被害者と口論している際,その右手を伸ばして原告の右胸の下部を下から持ち上げるようにして触った行為

・上記行為に関し,後日,被害者に対し「胸を触ったことをばらしたのか」と問い質した

(・洗い物をしている原告に対し,自身が使用した歯間ブラシを洗わせた行為)※性的な言動とまでは認められないものの,精神的苦痛を与えることは明らかであるとされた。

②認められた慰謝料額

60万円

東京地方裁判所平成28年8月24日判決

①裁判において認定されたセクハラ行為の概要

被害者をラブホテルに連れて行き,ホテル室内で抱きつき,キスをした行為

②認められた慰謝料額

60万円

※ホテルに連れ込んだのは本件1回のみであり,ホテルに連れ込むに当たり有形力を行使したような事実はないこと,室内で無理やり抱き付き鼻先や額にキスをするなどしたものの,それ以上の行為には及んでいないこと,被害者の懇願を受けて入室後ほどなくして退室しており室内にいた時間もわずかであること,本件ホテルを出た後被害者が加害者と共にタクシーに乗って帰宅していること,被害者が翌日から出勤できており,以後,特段勤務が困難な状態には陥っていなかったこと,が,慰謝料を減額する事実として挙げられている。

本ホームページの執筆者

弁護士高井翔吾
事務所名池田・高井法律事務所
代表者弁護士 高井翔吾
住所東京都港区赤坂2-20-5デニス赤坂4階
事務所HPhttps://www.i-t-laws.com/

東京大学法学部、東京大学法科大学院卒。

2010年弁護士登録(東京弁護士会)。

迅速かつ丁寧な対応を心がけております。

出張も可能ですし、裁判でweb会議の利用が普及したこともあり、全国からのご依頼をいただいております。初回のお問合せは無料ですので、どんなことでもどうぞお気軽にご相談ください。

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