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「労働者」性に関する裁判例

「労働者」性に関する裁判例

「労働者」性(労働基準法や労働組合法上の「労働者」に当たるかどうか。なお、労働基準法と労働組合法の「労働者」とは異なる概念とされています。)に関する最新の裁判例について、争点(何が問題となったのか)及び裁判所の判断のポイントをご紹介いたします(随時更新予定)。

劇団員の講演への出演等に関しても、労基法上の「労働者」姓が肯定された事案(エアースタジオ事件、東京高裁令和2年9月3日判決)

本件は、いわゆる劇団員の「労働者」性が争点となった事案です。

原審は、劇団での業務のうち、会場整理等のいわゆる裏方業務についての労働者性は肯定したものの、公演への出演や稽古については、出演が任意であったこと等から労働者性を否定しました。

これに対し、高裁は以下のとおり述べ、出演及び稽古のいずれにも、諾否の自由があったとは言えないとして、裏方業務及び講演への出演、稽古のいずれについても労働者性を肯定しました。

3 控訴人の労働基準法上の労働者性
(1)被控訴人は,本件カフェにおける業務を除き,本件劇団における業務について,控訴人が労働基準法上の労働者であることを争っているところ,同法の労働者と認められるか否かは,契約の名称や形式にかかわらず,一方当事者が他方当事者の指揮命令の下に労務を遂行し,労務の提供に対して賃金を支払われる関係にあったか否かにより判断するのが相当と解される。
 そして,本件劇団において控訴人が従事した業務は多様なものであるところ,控訴人と被控訴人が労働者と使用者の関係にあったか否かは,上記観点を踏まえ,控訴人が,劇団における各業務について,諾否の自由を有していたか,その業務を行うに際し時間的,場所的な拘束があったか,労務を提供したことに対する対価が支払われていたかなどの諸点から個別具体的に検討すべきである。
(2)大道具,小道具及び音響照明(裏方業務)について
ア 前記認定事実のとおり,本件劇団は,年末には,翌年の公演の年間スケジュールを組み,2つの劇場を利用して年間約90本の公演を行っていたこと,本件入団契約においては,控訴人は,本件劇団の会場整理,セットの仕込み・バラシ,衣裳,小道具,ケータリング,イベント等の業務(以下,出演以外の劇団運営に必要な業務を「裏方作業」又は「裏方業務」ともいうことがある。)に積極的に参加することとされ,実際に,本件劇団の劇団員らは,各裏方作業について「課」又は「部」なるものに所属して,多数の公演に滞りが生じないよう各担当「課(部)」の業務を行っていたこと,控訴人を含む男性劇団員らは,公演のセット入替え(バラシ及び仕込み)の際,22時頃から翌日15時頃までの間,可能な限りセットの入替えに参加することとされ,各劇団員らが参加可能な時間帯をスマートフォンのアプリケーションを利用して共有し,控訴人も相当な回数のセットの入替えに参加していたこと,音響照明は,劇団において各劇団員らが年間4回程度担当するよう割り振りが決定され,割り当てられた劇団員らは,割当日に都合がつかない場合には交代できる者を確保し,割り当てられた公演の稽古と本番それぞれに音響照明の担当者として参加していたことなどが認められ,これらの点を考慮すると,控訴人が,大道具に関する業務や音響照明の業務について,担当しないことを選択する諾否の自由はなく,業務を行うに際しては,時間的,場所的な拘束があったものというべきである。
 また,控訴人は,劇団員のEとともに小道具課に所属し,同人との間で,年間を通してほぼ毎週行われる公演のうちどの公演の小道具を担当するか割り振りを決め,別の公演への出演等で差支えのない限り,日々各公演の小道具を担当していた事実が認められるところ,公演本数が年間約90回と多数であって,控訴人が,年間を通じて小道具を全く担当しないとか,一月に一公演のみ担当するというようなことが許される状況にあったとは認められないことなどからすると,控訴人が,本件劇団が行う公演の小道具を担当するか否かについて諾否の自由を有していたとはいえない。また,小道具は,公演の稽古や本番の日程に合わせて準備をし,演出担当者の指示に従って小道具を準備,変更することも求められていたことなどからすると,控訴人は,本件劇団の指揮命令に従って小道具の業務を遂行していたものというべきである。
 そして,控訴人を含む劇団員らは,公演に出演しない月には4日間,劇団の業務を行わない休日を作ることを推奨され,休日希望日を劇団側に伝えることとされていたこと,劇団の業務とアルバイトとの両立が難しい劇団員らが多かったことも理由の一つとなって,月額6万円の支給が始まったこと,しかも現在はBの判断で月額20万円程度まで支払われる場合があり(原審における証人Iの証言によれば,同人は劇団員であるところ,プロデュース業務を担っていること等を理由に被控訴人から月額20万円の給付を受けている。),単なる生活保障のための給付とは考え難いこと,本件劇団は,現在では,音響照明やセットの入替えには外部からアルバイトを雇い,給料を支払っていることなどの事実に照らすと,本件劇団は,裏方業務に相当な時間を割くことが予定されている劇団員らに対し,裏方業務に対する対価として,月額6万円を支給していたものと評価するのが相当である。
イ これに対し,被控訴人は,① 控訴人に裏方業務へ回るよう強制したことはない,② 小道具業務については,控訴人が小道具役を担当しなくても,他の劇団員らが担当することは十分にできる状況にあったし,控訴人は,あくまで自らの意思によって小道具役を希望し,自由にスケジュールを組んで小道具の作業を行っていたのであるから,業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由があったと主張する。
 しかしながら,前記認定事実によれば,本件劇団においては,小道具や大道具等の裏方業務については,本件劇団が決定した年間公演スケジュールに支障が生じないよう,自身の担当課(部)の業務を遂行することとされており,担当する裏方業務を行って,支障がない場合に初めて公演への出演を希望することができたのであるから,事実上自由に裏方業務を行っていたとはいえないし,仮に控訴人以外の劇団員らも小道具役を担当することができたとしても,小道具業務はほぼ控訴人又はEが担っていたのであるから,控訴人の上記主張は採用できない。
 また,被控訴人は,月額6万円の支給について,劇団員としての活動に携わる時間にかかわらず支給するものであるから,労務の対償ではないとも主張するが,前記のとおり,月額6万円の支給は,アルバイトを行う時間を削って劇団の業務に励む劇団員らを支援する趣旨で設けられたものであること,劇団員らの業務遂行状況は,副座長が随時チェックするものとされていたこと及び劇団業務の遂行状況によっては在籍への影響もあるものとされていたことからは,裏方業務を遂行しない劇団員らに対しても支払われていたものとはにわかに信じがたく,劇団員らが担当している音響照明や大道具業務の人員が不足する場合には,外部から雇って給料を支払っていることなども併せ考えると,月額6万円の支給は,出演以外の劇団業務に相当な時間を割いている劇団員らに対し,その労務に対する対価として支給されていたものというべきである。
(3)公演への出演,演出及び稽古について
ア 確かに,控訴人は,本件劇団の公演への出演を断ることはできるし,断ったことによる不利益が生じるといった事情は窺われない(原審における控訴人本人)。
 しかしながら,劇団員は事前に出演希望を提出することができるものの,まず出演者は外部の役者から決まっていき,残った配役について出演を検討することになり(原審におけるI及びEの証言によると1公演当たりの出演者数20から30人に対して劇団員の出演者数4人程度),かつ劇団員らは公演への出演を希望して劇団員となっているのであり,これを断ることは通常考え難く,仮に断ることがあったとしても,それは被控訴人の他の業務へ従事するためであって,前記のとおり,劇団員らは,本件劇団及び被控訴人から受けた仕事は最優先で遂行することとされ,被控訴人の指示には事実上従わざるを得なかったのであるから,諾否の自由があったとはいえない。また,劇団員らは,劇団以外の他の劇団の公演に出演することなども可能とはされていたものの,少なくとも控訴人については,裏方業務に追われ(小道具のほか,大道具,衣装,制作等のうち何らかの課に所属することとされていた。)他の劇団の公演に出演することはもちろん,入団当初を除きアルバイトすらできない状況にあり,しかも外部の仕事を受ける場合は必ず副座長に相談することとされていたものである。その上,勤務時間及び場所や公演についてはすべて被控訴人が決定しており,被控訴人の指示にしたがって業務に従事することとされていたことなどの事情も踏まえると,公演への出演,演出及び稽古についても,被控訴人の指揮命令に服する業務であったものと認めるのが相当である(控訴人が本件劇団を退団した後に制定された被控訴人の就業規則によれば,出演者が出演を取りやめる場合は代役を確保することが求められており,控訴人が本件劇団在籍中も同様であったものと窺われる)。
イ これに対し,被控訴人は,① 公演への出演に当たっての稽古には場所的拘束は存在しない,② 本件劇団の劇団員は,作成された年間スケジュールの中から自らが参加したい演目に自由に参加希望を出すことができ,公演への出演は任意であった,③ 本件劇団の劇団員は,業務マニュアルに拘束されるものでなければ,同マニュアル通りに活動しているか否かを管理されるものでもないから,時間的拘束も存在しない旨主張する。
 しかしながら,仮に稽古の場所が本件各劇場以外の場合もあったとしても,稽古自体は当然本件劇団の指示に従って行うものであるし,公演の演目に出演すること自体が任意であったとしても,出演して演技を行うに当たって本件劇団の指揮命令が及ぶことは前記説示のとおりである。被控訴人の上記主張は採用できない。

(4)その他の業務について
ア 受付及び会場整理について
 前記認定事実によれば,公演における受付及び会場整理は,小道具等の裏方業務と同様,諾否の自由があったとは認められず,本件劇団の指揮命令に服する業務であったものというべきである。
イ 会議及びミーティングについて
 前記認定事実及び原審における控訴人の陳述によれば,会議及びミーティングは,本件劇団における公演を円滑に進め,より利益を上げるために開かれていたもので,控訴人には,小道具等の裏方業務と同様,参加の諾否の自由はなく,参加が義務とされていたことからすれば,本件劇団の指揮命令に服する業務であったものというべきである。
ウ 倉庫への移動及び掃除について
 前記認定事実及び証拠(甲8の4,甲39)によれば,掃除や倉庫引越しの対象は,本件各劇場及び本件各倉庫であるところ,被控訴人はシフト表を作成して人員を割り当てたり,掃除について具体的に指示していることからすれば,被控訴人の指揮命令に服する業務であるというべきである。
エ 公演打ち上げ等懇親会への参加について
 前記認定事実によれば,公演打ち上げは,外部のキャストをもてなす目的で,本件劇団内又は本件カフェで行われていたものの,欠席も可能で参加を強制されていたとまでは認められないこと,会費は被控訴人の経費から支出され,劇団員も無料で飲食可能であったことからすれば,被控訴人に賃金支払義務を発生させる業務であったとまでは認められない。
(5)以上によれば,控訴人は,本件カフェにおける業務のほか,本件劇団の業務のうち,大道具,小道具,音響照明(裏方業務),公演への出演,演出及び稽古等の業務(ただし,上記(4)エの公演打ち上げ等懇親会への参加は除く。)についても,本件劇団の指揮命令に従って,時間的,場所的拘束を受けながら労務の提供をし,これに対して被控訴人から一定の賃金の支払を受けていたものと認められるから,控訴人は,被控訴人に使用され,賃金を支払われる労働者(労働基準法9条)に該当するというべきである。

先物取引の外務員(歩合制)として就労する旨の契約が,労働基準法16条の労働契約に該当しないとされた事例(岡地事件,東京地裁令和2年1月15日判決)

本件は,商品先物取引等を取り扱う被告会社との間で「登録外務員雇用契約」と題する契約を締結した事案において,当該契約が「労働契約」(労働基準法が適用されるもの)に該当するか否かが争点となった事案です。

裁判所は,以下のとおり述べ,労働契約該当性を否定しました。契約書の書式上は「登録外務員雇用契約」と「労働契約」であることを前提とした形になっていました(原告側はこの点も論拠として主張していました。)が,裁判所は,こうした形式ではなく認定した実態に即して判断を行ったものです。

(1)業務遂行上の指揮監督
 前記認定のとおり,日本橋支店の投資相談部内には30名程度の歩合外務員が所属していたが,これら歩合外務員の間においては職制上の上下関係はなく,他には事務手続を行う一般社員が数名所属していたのみであって,同部内において歩合外務員に対し強い指揮監督を及ぼすべき組織体制は取られていなかった。このような組織体制の下,前記認定のとおり,原告はインターネット上に個人で開設したサイト等を用いて,自身の裁量に基づき大部分の営業活動を展開しており,営業方法について原告が被告から具体的な指示を受ける場合は限定されていた。業務内容の報告についても,前記認定のとおり,毎営業日に外務員業務日誌を提出していたものの,同日誌に記載された報告内容は,顧客から受注した売買取引の内容及び売買成立の結果に止まるものであり,原告が営業内容や交渉状況等について具体的に記載することや,被告の責任者が具体的な指導事項を記載することはほとんどなかった。
 このように,原告が業務遂行上被告から受ける指揮監督は,極めて弱いものであったというべきである。

(2)勤務場所・勤務時間の拘束性
 前記認定のとおり,歩合外務員の多くは,毎営業日,被告に出社しており,原告も,営業日には概ね午前8時に出社していたが,歩合外務員の出社時刻,退社時刻及び休憩時刻について定めはなく,歩合外務員の中には,午前9時頃に出社したり,昼過ぎに退社したりする者もおり,遅刻,早退又は欠勤を理由として,歩合外務員の固定報酬部分から報酬が控除されることはなかった。前記認定のとおり,先物取引の売買執行の際には日本橋支店内での作業が必要となることや,個々の歩合外務員専用フリーダイヤル用の電話機が日本橋支店内に設置されていたこと等を踏まえると,原告を含む多くの歩合外務員が日本橋支店へ出社していたことは業務の性質を理由とする側面が強く,被告が指揮監督を及ぼすために勤務場所・勤務時間を強く拘束していたと評価することはできない。
 原告は,勤務時間が定められており,土曜日の出勤も含め出社が強要されていたと主張する。しかし,原告は,本人尋問において,午前8時に出社しなければならない雰囲気であったが,出社するか否かは自由であり,強制ではなかった旨供述しており,他に勤務時間内の出社が義務付けられていたことを示す的確な証拠もないことから,本件契約において勤務時間内の出社が義務付けられていたと認めることは困難である。原告の主張は採用できない。
(3)報酬の労務対償性
 前記認定のとおり,平成17年4月の本件契約締結当初の報酬こそ月額40万円であったが,同報酬については一定の売上高に満たない場合には減額されるものとされており,当初から半年後には固定報酬15万円と歩合報酬の併用となることが予定され,現に同年10月からは同報酬体系に移行した。また,前記認定のとおり,本件契約においては所定の労務提供時間の定めはなく,遅刻,早退又は欠勤を理由とする固定報酬の減額もなかった。
以上を踏まえると,本件契約における報酬の労務対償性が強いとは評価できない。

(4)社員外務員と歩合外務員の異同
 前記認定のとおり,被告は,社員外務員と歩合外務員の採用手続を区分しており,就業規則等の適用の有無,報酬体系,配属部及び職制上の上下関係の有無等についても差異を設けていた。このように,被告は,指揮監督が強く及ぶ社員外務員と,強くは及ばない歩合外務員とを明確に区分して管理していた。
(5)本件契約書
 原告は,本件契約書は,その題名を「登録外務員雇用契約書」とし,頭書に原告を「雇用する」と記載した上で,兼業禁止や営業時間内の出社義務,「就業規則」第7章(安全衛生)の適用,定年制,懲戒処分等,労働契約に整合的な条項を含んでおり,このような本件契約書の規定を踏まえると本件契約は労働契約である旨主張する。
 しかし,前記認定のとおり,原告の出社時間や退社時間は決められておらず,歩合外務員には定年制はなく,懲戒処分も少なくとも平成5年以降は実例がなかった。このように,本件契約書のうち労働契約に整合的な規定の多くは,本件契約の実態に反するものであったといえる。また,前記認定のとおり,就業規則そのものは歩合外務員に適用されないことを前提とした規定となっていた。
 また,前記説示のとおり,被告は,指揮監督が強く及ぶ社員外務員と強くは及ばない歩合外務員とを明確に区分して管理しており,本件契約書によって歩合外務員である原告との間で強い指揮監督を前提とした契約関係を形成する意思を有していなかったというべきであり,原告も,本件契約書と同様の文言からなる契約書により開始された本件前契約において,本件契約と同様の指揮監督が強くは及ばない業務に従事した経験を有していたのであるから,被告と同様に,本件契約書によって強い指揮監督を前提とした契約関係を形成する意思を有していなかったというべきである。
 このような本件契約書における条項と実態との整合性や,本件契約締結時の契約当事者双方の意思を踏まえると,本件契約書に労働契約を前提とする文言や条項が記載されていたことを,労働契約該当性の判断において重視することは相当ではない。原告の主張は採用できない。
(6)小括
 以上に加え,前記認定のとおり,原告が業務上用いるパソコンや携帯電話は原告所有又は契約に係る物であったことや,業務上の経費が原告負担であったこと等の事業者性をうかがわせる事情も踏まえると,原告は被告の指揮命令に従って労務を提供していたと評価することはできず,本件契約は労働基準法16条所定の労働契約とは認められない。

劇団における裏方業務の担当者について,労働基準法上の「労働者」性が認められた事例(エアースタジオ事件,東京地裁令和元年9月4日判決)

本件では,劇団においてセットの切り替え等の裏方業務を担当する方が,割増賃金(残業代)の請求等を行った事案であり,前提として,労働基準法上の「労働者」に当たるか否かが争点となりました。

裁判所は,要旨以下のとおり述べ,上記の意味での「労働者」にあたるとの判断を示しました。

「(1)労働基準法上の労働者と認められるか否かは,契約の名称や形式にかかわらず,一方当事者が他方当事者の指揮命令の下に労務を遂行し,労務の提供に対して賃金を支払われる関係にあったか否かにより決せられる。そして,両当事者が労働者と使用者の関係にあったといえるためには,原告が,劇団の業務について諾否の自由を有していたか,業務を行うに際し時間的,場所的な拘束があったか,労務を提供したことに対する対価が支払われていたかなどを検討すべきである。

(2)前記認定事実のとおり,本件劇団は,年末には,翌年の公演スケジュールを組み,2つの劇場を利用して年間90本もの公演を行っていたこと,本件入団契約においては,原告は,本件劇団の会場整理,セットの仕込み・バラシ,衣装,小道具,ケータリング,イベント等の業務(以下,出演以外の劇団運営に必要な業務を「裏方作業」又は「裏方業務」ということがある。)に積極的に参加することとされ,実際に,本件劇団の劇団員は,各裏方作業について「課」又は「部」なるものに所属して,多数の公演に滞りが生じないよう各担当「課(部)」の業務を行っていたこと,原告を含む男性劇団員は,公演のセット入替えの際,22時頃から翌日15時頃までの間,可能な限りセットの入れ替えに参加することとされ,各劇団員が参加可能な時間帯をスマートフォンのアプリケーションを利用して共有し,原告も相当な回数のセットの入れ替えに参加していたこと,音響照明は,劇団において各劇団員が年間4回程度担当するよう割り振りが決定され,割り当てられた劇団員は,割当日に都合がつかない場合には交代できる者を探し,割り当てられた公演の稽古と本番それぞれに音響照明の担当者として参加していたことが認められ,これらの点を考慮すると,原告が,セットの入替えや音響照明の業務について,担当しないことを選択する許諾の自由はなく,業務を行うに際しては,時間的,場所的な拘束があったものと認められる。

 また,原告は,劇団員のz3とともに小道具課に所属し,同人との間で,年間を通してほぼ毎週行われる公演のうちどの公演の小道具を担当するか割り振りを決め,別の公演への出演等で差支えのない限り,日々各公演の小道具を担当していた事実が認められるところ,公演本数が年間約90回と多数であって,原告が,年間を通じて小道具を全く担当しないとか,一月に一公演のみ担当するというようなことが許される状況にあったとは認められないことからすると,原告が,本件劇団が行う公演の小道具を担当するか否かについて諾否の自由を有していたとはいえない。また,小道具は,公演の稽古や本番の日程に合わせて準備をし,演出担当者の指示に従って小道具を準備,変更することも求められていたことから,原告は,本件劇団の指揮命令に従って小道具の業務を遂行していたものと認められる。

 そして,原告を含む劇団員は,公演に出演しない月には4日間,劇団の業務を行わない休日を作ることを推奨され,休日希望日を劇団に伝えることとされていたこと,劇団の業務とアルバイトとの両立が難しい劇団員が多くいたことも理由の一つとなって,月額6万円の支給が始まったこと,本件劇団は,現在では,音響照明やセットの入替えには外部からアルバイトを雇い,給料を支払っていることなどの事実に照らすと,本件劇団は,裏方業務に相当な時間を割くことが予定されている劇団員に対し,裏方業務に対する対価として,月額6万円を支給していたと評価するのが相当である。

(3)以上によれば,原告は,本件劇団の指揮命令に従って,時間的,場所的拘束を受けながら労務の提供をし,これに対して被告から一定の賃金の支払いを受けていたものと認められるから,原告は,被告に使用され,賃金を支払われる労働者(労働基準法9条)に該当すると認められる。

 他方,公演への出演は任意であり,諾否の事由があったことは原告も認めるとおりであるから,原告は,被告の指揮命令により公演への出演という労務を提供していたとはいえず,チケットバックとして支払われていた金銭は,役者としての集客能力に対する報酬であって,出演という労務の提供に対する対価とはいえない。」

コンビニオーナーが労働基準法,労働契約法上の「労働者」に当たらないと判断された事例(セブンーイレブン・ジャパン事件,東京地裁平成30年11月21日判決)

本件は,フランチャイジーとしてコンビニエンスストアを経営するオーナーの,労働基準法及び労働契約法上の「労働者」性が争点となった事案です。

裁判所は,以下のように述べ,「労働者」性を否定しました。

「労働基準法第9条及び労働契約法第2条第1項の各規定によれば,労働者とは,使用従属性の要件を満たす者,すなわち,使用者の指揮監督の下に労務を提供し,使用者からの労務の提供の対価として報酬を支払われる者をいうと解される。しかし(略)原告は,個人もしくはXの代表取締役として,被告との間で,本件各基本契約を締結し,同契約に基づき,独立の事業者(第2条)として,本件各店舗を経営していたものであって(原告自身も,自身が本件各店舗の経営者として,同店舗を経営していたことを自認している(人証略。),このことは,原告が労働者であることと本質的に相容れないものである。

 これに対し,原告は,①業務遂行上の指揮監督,②時間的・場所的拘束性,③代替性,④報酬の算定・支払方法等及び⑤その他の事情といった各観点から原告の就労実態をみれば,使用従属性が認められ,原告が労働者に該当すると主張する。しかし,以下のとおり,原告が指摘する各事情は,いずれも上記(1)の原告の事業者性を減殺して,原告の労働者性を積極的に肯定できるまでの事情とはいえず,原告は労働者に該当しないというべきである。

ア ①業務遂行上の指揮監督について

原告は,本件各店舗の運営に際して,情報システムにより仕入商品及び販売商品の種類・数量まで把握され,商品についても被告の推奨仕入先から被告を通じて仕入れることが事実上強制され,被告の方針と異なることを行えば,すぐにOFC(※オペレーション・フィールド・カウンセラー(店舗経営相談員)の略)が店舗事務所に立ち入り監督するなどし,被告から業務遂行上の指揮監督を受けていたと主張する。

 しかし,(略)本件各基本契約は,被告が,原告及びC氏らに対して,セブンーイレブン・システムによるコンビニエンス・ストア加盟店(以下「セブンーイレブン店」という。)を経営することを許諾するとともに,本部として継続的に同システムによる経営の指導,技術援助及びサービス(市場調査や商品情報に基づく商品仕入援助,販売促進の援助・協力,仕入資金等の調達についての信用の供与,広告・宣伝,簿記・会計処理,店舗計画,店舗・在庫品の管理の手助け等)を行うことを約し,原告及びC氏らが,被告に対して,セブンーイレブン店の経営を行い,これについて被告に一定の対価であるセブンーイレブン・チャージを支払うことを約することなどを内容とするものであり(略),原告及びC氏らの労働それ自体の提供が契約の目的とされているものではない。本件各基本契約の上記内容からすれば,被告が本件各店舗の仕入商品及び販売商品の種類・数量を正確に把握したり,原告及びC氏らに対し,信用のある仕入先及び仕入れ品の推薦をしたり,被告と優良取引先との業務協力により原告及びC氏らがバラエティに富んだ商品の仕入れができる特別な取引関係を確保することができるようにしたり,OFCを通じてセブンーイレブン・システムによる経営の助言,指導を行ったりするなどして,本件各店舗の仕入を援助し,その販売促進に協力すること(第28条)は,同契約に基づく被告の義務の履行を行うものであり,使用者がその権限において行う労働者に対する指揮監督とはその性質がおよそ異なるものである。

 このうち商品の仕入については,原告及びC氏らが,本件各基本契約において,被告の推薦した仕入先や被告の関連会社から商品を仕入れ,又は被告の推薦した商品のみを仕入れることを義務付けられていなかった(略)ものの,実際には,コンビニエンス・ストアにおいて販売される多種多様な商品について,仕入ルートを独自に開拓して安定的かつ継続的な仕入れを行ったり,いかなる商品をどの程度仕入れるかを適時適切に判断したりすることは困難であると考えられる。もっとも,そのような実情があるからこそ,原告及びC氏らにとっては,被告との間で本件各基本契約を締結し,被告に一定の対価を支払ってまでセブンーイレブン店の経営を行うメリットがあるのであり,原告が主張するとおり,被告の推薦した仕入先から被告を通じて仕入れるほかないという実情があるとしても,そのことをもって直ちに原告の事業者性が否定されるものではない。

 さらに,原告が被告の方針と異なることを行った場合にOFCによる店舗事務所への立ち入り監督が行われたとする点についても,本件各基本契約においては,セブンーイレブン・システムによる事業の有意性がセブンーイレブンの統一的な同一のイメージ(略)の下で確保されるものであることから,原告及びC氏らにおいて,セブンーイレブン・システムに違反する仕入,販売,その他の営業をしたり,セブンーイレブン・イメージを変更したりすることが禁止される(略)とともに,商品の種類,型,品質,量あるいは商品構成がセブンーイレブン・イメージに適合しないと被告によって判断された場合には,これらの商品の陳列,販売をしないことや,セブンーイレブン店の店舗建物内外・設備・什器・備品・在庫品等の経営に供される全ての物件を清潔で明るく,整備された状態で保つことが必要とされ,清掃,手入れを怠ってはならないことなど,一定の遵守事項が定められていたものである(略)。そして,原告及びC氏らが上記の本件各基本契約における禁止行為を行った場合や遵守事項を遵守しなかった場合に,被告がOFCを通じて必要な指導を行うことは,同契約上,当然のことといえ,使用者の労働者に対する業務遂行上の指揮監督と同列のものと捉えることはできない。

イ ②時間的・場所的拘束性及び③代替性について

 原告は,被告から年中無休24時間での本件各店舗の運営という労務の提供を強制され,時間的・場所的に強い拘束を受けていたなどと主張する。

 しかし(略)原告及びC氏らが本件各店舗以外の店舗におけるセブンーイレブン店の営業を許されておらず,また,本件各店舗において年中無休24時間の営業が義務付けられていたのは,本件各基本契約(略)及び加盟店付属契約(略)に基づくものであって,(略)本件各店舗という営業場所やその営業時間が指定されていたのは,被告が原告の業務の遂行を指揮監督する必要によるものではなく,原告及びC氏らと被告とのフランチャイズ契約の内容によるものにすぎない。

 また,(略)本件各基本契約は,原告及びC氏らの労働それ自体の提供が契約の目的とされているものではなく,原告及びC氏が本件各店舗の店舗業務を自ら行うか,行うとしてどの程度の時間行うかは,経営者である原告及びC氏の判断に委ねられていたものである(略)。これに対し,原告は,本件各店舗の店舗業務について,平均して午前5時頃から午前9時頃まで自身が行い,その他の時間はその親族や雇用したアルバイト従業員が行い,自身は散歩するなどして過ごしていたが,本件各店舗において問題が生じれば自身が対応しなければならず,本件各店舗の経営が立ちゆかなくなった際には自身が全ての負債を負わなければならないため,本件各店舗に常に注意を払っていた旨を供述する。しかし,原告も供述するとおり,原告が本件各店舗に常に注意を払い,問題が生じた際に対応しなければならないことは,原告(及び同人が代表取締役を務めるX)が本件各店舗の経営者である以上,当然のことであり,原告の労働者性を根拠付ける事情ということはできない。むしろ,原告の親族や原告が雇用したアルバイト従業員が本件各店舗の店舗業務を行っていたこと(原告が主張する労務提供の代替性があること)は,原告の労働者性を否定する方向に働く事情である。

ウ ④報酬の算定・支払方法等について

(略)

 本件各基本契約において,いかなる方法により貸借処理を行い,また,最低保証制度を設けるか否かは,原告として,いずれも事業主である原告及びC氏らと被告において当該フランチャイズ契約の内容をどのように設定するかという問題にとどまり,原告及びC氏らと被告との間でオープンアカウントによる貸借処理がされ,原告が,毎日,本件各店舗の売上金の全額を,仕入資金等の調達についての信用の供与や簿記・会計処理等を行う義務を負うこととされていた被告に一旦送金し,被告から,原告(及びその親族)の業務量や稼働時間ではなく,本件各店舗の売上高や売上総利益等を基に算定された引出金等の形で送金を受けるとされていたこと(略)や,最低保証制度が設けられていたことから直ちに,原告の事業者性が否定され,原告が労働者に該当するということはできない。

 また,原告が雇用していた本件各店舗のアルバイト従業員の給与は,本件各基本契約に基づき,被告が支払代行をしていた(略)ものの,原告がその額を決定し,その原資を負担するとともに,同給与をXの経費として計上していたこと(略)からすると,これらの同給与に関する事情を全体としてみれば,むしろ,原告の労働者性を否定する方向に働く事情であるということができる。」

「個人事業主」として採用された医師が「労働者」にあたると判断された事例(メディカルプロジェクト事件,東京地裁平成30年9月20日判決)

本件は,被告の経営する美容外科クリニックにて医師として稼働する契約を締結した原告が,自らが労基法上の「労働者」に当たることを前提に,残業代等を請求した事案です。なお,この契約においては,「原告は,個人事業主として参画する」旨の定めがありました。

裁判所は,要旨,以下のように述べ,原告が労基法上の「労働者」に当たると判断しました。

「本件契約上,原告は,毎月末日を締日とする1か月の期間ごとに,所定の22日間の勤務を行うことが求められ,被告は,これに対して,月額150万円の報酬を支払うことが定められており,この報酬については,原告の勤務日数が所定の日数を下回る場合には,日割計算した分を減額されるなど,期間と勤務日数に対応した報酬という性格を有していた。原告に対する報酬としては,本件各院の売上げに応じたインセンティブ報酬の支払があったが,給与明細上に基本給と表記される上記月額150万円の部分は,所定の日数を勤務した場合には定額で支払われることとされ,例えば,本件各院の売上げの増減に応じて基本給が増減するといった危険を原告が負担することはなかった。

 原告の行う業務は,医師の行うべき美容整形術の施術等の医療行為であり,その内容の専門性から,被告が個々の具体的な医療行為の内容について指示をするということはなかったが,本件各院における施術項目や診療体制等を決定していたのは,本件各院を実質的に運営していた被告であると認められ,原告は定められた診療項目や診療体制等に従って,患者の診療・施術等に当たっていたと認められるから,この限りにおいて,被告の指揮命令に服していたと認められる。

 原告は,あらかじめ定められたシフトに基づき,勤務日に本件各院に出勤し,基本的には本件契約に基づく所定の勤務時間に従って,本件各院において医療行為(診療行為)等の業務に従事していたと認められる。なお,X2(※医院の名称)については,行政上の届出では原告が院長となっていたが,診療日や診療時間について原告自身が決定していたなどの事情は認められず,原告は,シフトで予定された出勤日に診療行為を行うか否かについて,諾否の自由を有していたとは認められない。そして,(略)原告の出勤状況については,出勤簿によって管理されていたほか,原告を含む医師の遅刻又は早退の状況について,本件各院の受付担当者が確認の上,被告代表者に報告する方法により,被告が原告の勤怠管理を行っていたことが認められる。

 なお,本件契約上,原告の行うべき業務(美容整形術の施術等)につき,原告が自己の責任で第三者に代替させるといったことは予定されておらず,また,原告は,基本的には本件各院に備え付けられた器具等を用いて上記業務を行うものとされていた。

 これらの点からすると,原告は,自らの危険と計算において業務を行うものというよりは,被告の危険と計算において,被告から時間的・場所的拘束を受けつつ,被告の指揮命令下において,自らの労働力を提供していたものであり,原告の受ける報酬は,かかる労務の提供に対する対価の性格を有するということができる。したがって,本件契約は原告が被告に使用されて労働し,被告がこれに対して賃金を支払うことを内容とする雇用契約(労働契約)に当たり,原告は,労働基準法9条の「労働者」に該当すると認めるのが相当である。」

ホストは自営業者であって「労働者」にあたらないと判断された事例(甲観光事件、東京地裁平成28年3月25日判決)

本件は、被告会社経営のホストクラブで働いていた原告(ホスト)が、被告との契約は雇用契約であったとして、未払賃金等の支払を求めた事案です。

原告が、労働契約における「労働者」といえるのか、それとも自営業者なのかという点が主な争点になりました。

この点、裁判所は「ホストの収入は、報酬並びに指名料及びヘルプの手当で構成されるが、いずれも売上に応じて決定されるものであり、勤務時間との関連性は薄い。また、出勤時間はあるが客の都合が優先され、時間的拘束が強いとはいえない。」「ホストは接客に必要な衣装等を自腹で準備している。また、ホストと従業員である内勤とは異なる扱いをしている。ミーティングは月1回行われているが、報告が主たるものである。」

とした上で、「以上によれば、ホストは被告から指揮命令を受ける関係にあるとはいえない。ホストは、被告とは独立して自らの才覚・力量で客を獲得しつつ接客して収入を挙げるものであり、被告との一定のルールに従って、本件店舗を利用して接客し、その対価を本件店舗から受け取るに過ぎない。そうすると、ホストは自営業者と認めるのが相当である。」

として、原告の請求を認めませんでした。

※一言コメント

この判決は、あくまで、訴訟で問題となったホストクラブの実態に即した判断であり、全てのホストが自営業者に当たるとまでは言えないと思われます(ケースバイケースであり、実態によっては異なる判断がなされる可能性があると考えます。)。

放送受信料の集金業務等を行うスタッフが「労働者」に当たらないと判断された事例(日本放送協会事件、大阪高裁平成27年9月11日判決)

本件は、会社との間で放送受信料の集金や放送受信契約の締結等を内容とする有期契約を締結してきた原告が、同契約を途中で解約されたことについて、「この契約は労働委契約であり、解約は解雇に当たるところ、当該解雇は労働契約法に反し無効である」と主張して、労働者としての地位確認や未払賃金の請求等を求めた事案です。

本件では、原告の「労働者」性が問題になりました。この点、第一審(神戸地裁平成26年6月5日判決)は、原告の労働者性を肯定していました(但し、解雇は無効でも契約期間は満了により終了しているとして、地位確認自体は否定)。

しかし、本裁判例は、「本件契約により、被控訴人は、契約開発スタッフとして、放送受信契約の新規締結や放送受信料の集金等契約上定められた業務を行うことを受託している(中略)。したがって、その定められた業務内容に関するものである限り、被控訴人が個々の具体的な業務について個別に実施するか否かの選択ができるわけではない。もっとも、これは、包括的な仕事の依頼を受託した以上、契約上、当然のことと解される。本件では、業務の内容からして、控訴人が被控訴人に対し特定の世帯や事業所を選び訪問すべき日や時間を指定して個別の仕事を依頼するなどということは、およそ予定されていないと考えられるから、被控訴人に上記の選択権のないことを本来的な意味の諾否の自由の有無の問題ととらえるのは相当でない」として、原告に選択権がなかったことは、労働者性の判断において通常考慮される「仕事に対する諾否の自由の有無」(これがない場合、労働者性を肯定する方向に働く)の問題ではないという立場を示しました。

また、原告が会社から指導を受けていた点(これがある場合、使用者の指揮命令下にあることを肯定しやすく、労働者性を肯定する方向に働く)については、「控訴人が被控訴人らスタッフに対して行う稼動日や稼働時間についての具体的な助言指導は、スタッフの業績が不振となった場合に行われるものであり、業績不振となっていないスタッフに対して、控訴人が当該スタッフの稼動日や稼働時間、業務の遂行方法に関する具体的な助言指導を行ったことを認めるに足りる的確な証拠はない。また、上記のような稼動日や稼働時間、業務遂行方法に関する具体的な助言指導にスタッフが従わなかったこと自体につき、控訴人が当該スタッフに対して何らかのペナルティを課したことを認めるに足りる証拠もない」として、指揮命令は限定的なものだったと評価しました。

その他、「本件契約上、1ヶ月の稼働日数や1日の稼働時間は、スタッフの判断で自由に決めていくことができ、実際の稼働を見ても、スタッフにより時期により様々である。目標値は控訴人が設定するとしても、稼働時間に対する拘束性は強いものとはいえない。場所的拘束性も、訪問対象の世帯等がその地域にあるというだけで、訪問以外の場合ではその地域内での待機を強いられるわけではない」として時間的場所的拘束性が低いこと(これが高い場合、これがある場合、使用者の指揮命令下にあることを肯定しやすく、労働者性を肯定する方向に働く)「本件契約の事務費は、基本給とまではいえず、そのほかの給付も出来高払の性格を失っていない」こと、「本件契約においては、第三者への再委託が認められれており、実際にも再委託制度を利用しているものがいた」こと、「兼業は許容され、就業規則や社会保険の適用はない」こと等を挙げ、

結論としては、「とりわけ、稼働日数や稼働時間が裁量に任されており、時間的な拘束性が相当低く、(中略)第三者への再委託が認められていることに着目すれば、(中略。業務に必要な機材は会社から貸与されていたという事情を総合しても)本件契約が、労働契約的性質を有すると認めることはできない」として、原告の「労働者」性を否定しました。

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